FC2ブログ

telealias

 ニワトリだって空を飛べる。

RSS 1.0

2009-12-22(Tue)

ロールプレイ

 さて、前回物語の組み方と語り方のざっくりした話をしたので、今回はキャラクターの作り方の話ができる。
 ゆえっちが書いたのがキャラクターのいわば魂なら、今回は、より大局的な視点から、駒としてのキャラクターの話をしよう。そのために物語の話をしたんだし。

 たとえばラブコメだと、主人公とヒロインのほかに、何人か登場人物がいる。悩みを相談する親友がいたり、主人公の恋のライバルだったり、ひそかに主人公のことを思う後輩だったり、である。仮にこの五人でラブコメがあったとして、この話の結末、「主人公とヒロインが結ばれる」を望む人間は、何人いるだろうか。
 物語開始時点で確実なのは主人公だけである。ヒロインは、どこかのタイミングでそれを望むようになるだろう。親友は、いろいろな場合があるものの、今回はそれを望むとしよう。しかし絶対に望まない二人がいる。ライバルと後輩だ。まあ、もしかしたらこの二人も祝福してくれるのかもしれないけど、この話のおおよその部分で、彼らはこの結末と相容れない存在だろう。
 物語には、このように、登場人物の役割分担が存在する。
 主人公とヒロインがいて、同調者がいて、反対者がいる。同調者は物語の進行を手助けするだろうし、反対者は物語の進行を妨げるだろう。しかし、妨げるものなくして物語は次のステップへ進まない。物語を盛り上げるためにも、彼らの存在は欠かせないだろう。
 今ここであげたのは登場人物たち自身の目的意識から、このように分類できたものだけれど、場合によっては物語の本筋と関係ないところで発生した事件が、物語の進行を妨げる場合もあるだろう。たとえば主人公の妹が交通事故にあい、ヒロインに会う機会が減る、ということがあれば、主人公の妹は物語的には反対者の立場になる。
 この例には含められなかったけれど、物語の導き手のような役割もあるだろう。世界観や舞台、登場人物の説明をしたりする。主人公であることもあるだろうし、そうではなく、ナレーションのような、より高い視点を持ったものかもしれない。

 言いたいことは、だ。
 登場人物は、物語のために存在する、というところ。
 物語の進行を手助けし、妨げ、ときに盛り上げ、ときに落とす、それが登場人物だと思う。
 とりあえずこんなキャラクターを出したい、というのは、あると思う。ぼくもよくある。けれども、せっかく出すんだから、なにかしら役どころを意識してあげたらと思う。プロット上の役割に限らない。ドラマツルギーの上で、物語を引き立たせるような、そんな役だって大切だ。
 何を当たり前な、と思うかもしれない。
 しかし、なんとなく作るのと意識して作るのとでは随分違うと思うのだ。そして恥ずかしい話ながら、ぼくはこれまでほとんど意識できていなかった。ようやく気付いたのが、今年だか、それくらいのことだった。

 誤解のないように一点だけ。
「登場人物は物語のために存在する」というのは、べつにキャラクターに好き勝手させていけない、という意味ではない、ということ。
 キャラクターに命を吹き込むのと、キャラクターの役割分担をするのは、またべつの視点からの話だ。役割分担だけうまくやったところで、上手な操り人形劇にしかならない。
 架空の登場人物だろうとそこにいるのは人間なんだから、彼らの考えは彼ら自身のものだし、彼らの言葉も行動もすべて彼ら自身のものだ。こっちの思惑と違うことをすることだって大いにあるだろう。いい意味で期待を裏切ってくれることもある。
 ただ、それに頼るだけではなくて、物語を作り上げるために、彼らに仕事をさせてあげよう、という、そんな話。

related: かきもの

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。