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 ニワトリだって空を飛べる。

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2009-12-25(Fri)

記号と表現 #1

 前に文章の書き方の慣例について話をした。そのときに記号についての話をちょっとしたと思う。今回は、もうちょっと記号について考える話。

 記号、というか、こと文章に使う記号を、約物という。
 なんで約物っていうのかとか、その辺の話は、Wikipediaなど各自で見たらいいと思うので、そうするとして。
 これらが文章上、どんな効果を持ってるのか、というあたりの話をしたい。

 まずは、句読点の話から。
 句点(。)と読点(、)はよく間違われる。いかにも「句」というのが、なんだか、文のサブセットみたいに思えるからだ。しかし句というのはようするに文のことである。「句切る」なんていうときは、まさしく句点のない文に句点を打って切り分けることなんだけど、「区切る」と混同されたりするので、しかたないのかもしれない。
 読点のほうを「読んでる途中の点」と覚えると分かりやすい、と勝手に思ってる。
 どっちも、音楽的な言い方をすると休符のイメージ。読むときに、読点で息継ぎして、句点で一拍置く。段落が変わったらさらに溜める。なんとなくだけど、頭の中で読んでいてもこんな感じになるんじゃないだろうか。や、ひとそれぞれだったりするかもしれない。
 しかしいずれにしても句読点が入ると連続性が絶たれる、というのは分かると思う。

 これらの打ち方は文のリズムに影響する。ふつう句点なんて決まったところでしか打たないけど、読点はそうでもない。いろんなところに打てる。だから、リズムコントロールに使えるわけだ。
 しかし、ぼくは、悲しいかな、このように、読点を打ちまくるくせがある。
 これはさすがにやりすぎじゃないか、とも思うのだけど、しかし、やっぱり打ってしまう。書いているときに、ついついくせで打つ。なんか一区切りしたら読点を打つくせがあるらしい。おかげですぐに自分の文だと分かる、らしい。
 もうひとつ読点には大事な役目がある。日本語はすごく緩く、語順について明確な決まりがない代わりに、語順によって、文における言葉ひとつひとつの意味上の強弱が変わる。と同時に、連結しやすさは、基本的には近いところ同士で結びつきが強くなる。
 なのだけど、意味上の強弱はつけたいが連結は切りたい、というときがある。そうでなくとも、連結性が高いせいで意味が不明瞭なことがある。こういう曖昧さがある意味では日本語の魅力でもあるけど、意味をより正確に届けたい場合には、足かせになる。
 そんなとき、読点が入ることで、どちらに係るべきかが明確になったりする。
 修飾語の係る対象を明確にする、という働きがあるわけだ。
 なので、ぜひ意識して読点を打ってほしいと思うのだけど、なんというか、こう、ついくせでそこらじゅうに読点を打つぼくの意見なんて、あてになるわけないよなぁ。

 句点の使い方はシンプルだけど、いちおう、文を結ぶということそのものがレトリックに大きくかかわってくるので、その話だけしておこう。
 ふつう、日本語は述語で文を終える。しかし今回の記事の二文目からすでに述語以外で文を結んでいる。体言止めだ。倒置なんかも、述語で文が終わらないケースだろう。このあたりは分かりやすいのでいいかと思う。
 例を挙げる。

 ***

 ぼくは別にどうしても焼きそばパンが食べたかったというのでもない。そう、カレーパンがなかったから仕方なくであり、これを、きっと焼きそばパンを買っていったら喜ぶであろう、彼女のことを考えたからというわけでは。

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 この場合の最後の「わけでは」のあとには「ない」が続く。このように、省略して言葉を濁したりする方法もある。後に続く言葉が自明であることが多いが、たとえひとつしか続きがありえない場合であっても、あえて続けないことで、断言を避けて、なんとなく迂遠な感じを表現できると思う。

 文末の省略は本当にいろんなパターンがある。上の例でいえば、繰り返しを避ける場合に当たるだろう。反語も文末省略である。全てについてを話すにはちょっと今回は言葉を多く使いすぎるので、またの機会にしたい。

 もうひとつ。

 ***

 あいつはああ言っている。が。どうだ。結果は焼きそばパンを買ってきたじゃないか。

 ***

「~。が。…」というところは、「~が、…」と置き換えられるが、表されるイメージは、この例のほうがより「が」にアクセントがかかるように感じられる。逆接の強調のために、あえて「句切る」というやり方。

 最後にひとつあげて終わろう。

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 焼きそばパン。カレーパン。コロッケパン。あんパン、ジャムパン、クリームパン。ひとつ選べというなら、僕はやっぱりカレーパンだった。カレーパンがないから焼きそばパンなのだ。彼女のためではない。

 ***

「焼きそばパン、カレーパン、コロッケパン、あんパン、ジャムパン、クリームパン、ひとつ選べ……」と全て読点で切ってもかまわないが、例では、段々とリズムが小刻みになっていくのが分かるだろう。途中から読点で切られている部分は、それほど重要ではないようにも見える。

 句点はなかなか面白い。はじめの方に書いたとおり、読むリズムに直接かかわってくる。だから、単に意味の上で「句切る」だけではなくて、音で切ることも意識していいはずだ。それも句点の使い方になってくると思う。もちろん、読点も。
 約物は当然句読点に限らない。カッコ類の話、疑問符や感嘆符の話、三点リーダやダッシュの話、など、まだまだ書けてないことがある。それも、まだいくらでも機会があるので、折を見て書いていこうと思う。

 今回は、これで。

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